概要・実施計画
概要
ドローン搭載用の高濃度噴煙試料自動採取装置(SelPS)と、採取した試料の濃度・同位体組成の簡易分析手法を開発・改良することで、ドローンを用いた火山ガス同位体組成観測を簡易化し、火山ガスを利用した噴火様式推定手法を確立・標準化する。また、ドローン搭載型小型センサー列火山ガス放出量計(D-VSAS)を新しく開発し、二酸化硫黄をほとんど放出しない火山噴火においても、噴火規模即時把握を実現する。また、可搬型フーリエ変換赤外分光計(FT-IR)を用いた火山ガスのリモートセンシング手法を開発・確立することで、夜間の二酸化硫黄放出量定量を実現し、同じく噴火規模即時把握を実現する。
実施計画
初期
レーザー分光法を用いた火山ガス濃度・同位体組成分析計(CRDS装置)を導入し、試料導入系の製作および装置立ち上げを行う。あわせて自動噴煙採取装置SelPSの改良版設計を進め、試料採取手法の高度化を図る。また、ドローン搭載型火山ガス放出量計(D-VSAS1号機)を製作し、地上設置型VSAS試験機を用いて試験観測と検証を行う。さらに、FT-IR装置導入に向けた準備および室内試験を進めることで、火山ガス濃度・同位体組成・放出量を総合的に観測するための基礎的観測体制を整備する。
中期
自動噴煙採取装置SelPS改良版1号機の試験観測を実施し、火山噴煙試料の安定採取手法の検証を行う。あわせてドローン搭載型火山ガス放出量計D-VSAS2号機を設計・製作し、地上設置型VSASとの比較により観測精度の検証を進める。さらにFT-IR装置による火山噴煙観測を開始し、複数の観測手法を組み合わせた火山ガス観測体制を構築する。加えてSelPS改良版2号機の設計・製作を進め、本格的な火山フィールドにおける観測試験を実施するとともに、ドローン観測と遠隔分光観測を組み合わせた火山ガス放出量評価手法の高度化を図る。
後期
自動噴煙採取装置SelPS改良版2号機およびドローン搭載型火山ガス放出量計D-VSAS3号機を用いた本格的な火山フィールド観測を継続し、FT-IR観測と組み合わせた統合的火山ガス観測手法の確立を進める。さらに夜間観測を含む多条件下での観測試験を実施し、火山ガス濃度、同位体組成、放出量を高精度に把握する観測体系を整備する。最終的に、これらの観測・分析手法を総合的に整理し、火山ガス観測手法として論文化するとともに、装置構成や観測手順をマニュアル化して公開し、継続的な観測研究に活用可能な技術基盤として取りまとめる。

