概要・実施計画
概要
マグマ貫入から噴火、火砕物放出、火山灰の移流・拡散、火砕物の降下・堆積、さらに噴火後の土砂災害に至る一連の火山ハザードを即時に把握する技術の確立を目的として、桜島等の実地にて研究開発を行う。地殻変動、地震、空振、レーダ、ドローン、流砂・水文観測など多様な観測データを用い、自動解析・即時推定手法を段階的に開発する。令和8年度から令和10年度では各現象の即時把握に必要な基礎手法を構築し、令和11年度から令和13年度では観測機器の導入・増設と解析手法の統合を進める。そして、令和14年度から令和17年度では観測結果をモデルへ逐次反映(データ同化)する手法を開発し、噴火および噴火後の土砂災害を含む一連の現象を連続的に把握する手法としてまとめる。最終的には、火山ハザード対策を支援するため、自治体等の意思決定に資する情報提供手法として取りまとめる。
実施計画
初期
地殻変動データから火山性膨張源パラメータを自動推定する基礎手法の開発を進めるとともに、空振動・地震動・レーダ観測データを用いた噴火自動検出手法の開発を行う。レーダ観測により火口からの火砕物放出および拡散を即時把握する手法を検討し、降下火砕物の粒径・量などのパラメータ推定の基礎手法を開発する。また、ドローン観測による火口近傍の火砕物堆積分布把握手法の検討、シーロメータ設置による細粒火山灰濃度分布観測の基盤整備を進める。さらに、噴火後の土石流・泥流に関する既往データ整理方針を検討し、流砂・水文観測手法、土砂動態シミュレーションとのデータ同化手法、降下火砕物の浸透能モデルの基本設計を進める。
中期
地殻変動即時解析装置の増設により複数火山に対応可能な解析体制を構築し、地殻変動、空振動、地震動、レーダ観測データを統合した噴火検出および火砕物放出量推定手法の高度化を進める。レーダ観測による火砕物放出・拡散把握、降下火砕物の粒径・量分布推定、火口近傍の堆積分布把握、上空火山灰濃度分布観測などの手法を改良するとともに、船舶レーダ増設による噴煙追跡観測体制の強化を図る。さらに、流砂・水文観測および降灰観測を活用し、噴火後の流域状態変化を反映した土砂移動把握手法、土石流・泥流の発生降雨閾値設定手法、降灰に伴う浸透能評価手法の開発を進める。
後期
統合解析に基づく火砕物放出量および噴火給源パラメータ推定手法を完成させ、火山灰の移流拡散・降下予測モデルへの観測データ同化手法を確立する。これにより、降灰分布、流砂量の時空間変化、土石流・泥流の発生ポテンシャルおよび氾濫範囲をリアルタイムに把握する手法を構築する。さらに、マグマ貫入から火砕物放出、火山灰移流・拡散、降下・堆積に至る一連の噴火過程と、噴火後の流域環境変化を考慮した土砂移動過程を統合的に把握する技術として整理し、自治体等の意思決定を支援する解析・予測情報提供手法として取りまとめる。

