課題B:火山活動評価手法開発
目的
- アウトプット目標として、火山深部から浅部への地震・地殻変動等の現象の網羅的検出による流体供給過程の定量化に基づき、火山活動の進行段階を判断するための評価指標の枠組みを整備する。多項目観測データに基づき火山活動の状態を表す火山活動度指数を構築し、一定期間内の噴火発生確率の推定手法を試作して評価モデルとして整備する。火山近傍のその場で高頻度のデータ取得が可能な、火山ガスの組成や同位体比のオンサイト分析システムを構築し、火山深部から浅部への流体供給過程の変動を検出する標準的な手法を開発することで、火山ガスの観測データを活動評価指標として評価モデルに組み込む。
- アウトカム目標として、本課題を通じて、多項目観測データに基づく火山活動評価手法が体系化され、さまざまな火山の活動状態を客観的に評価するための基盤が整備される。この基盤は、深部から浅部に至るマグマ・熱水プロセスの理解と、それらに関連する多項目観測データに基づいて構築され、活動進行段階の定義および判定方法、火山活動度指数、一定期間内の噴火発生確率推定手法を組み合わせた定量的な火山活動評価体系である。これにより、火山調査研究推進本部等の関係機関は、個別の火山の特性を考慮しつつ、活動状態の変化や平常時からの乖離、噴火切迫度を定量的に把握し、防災対応やリスク評価に活用できる。あわせて、本課題で開発・検証する火山ガスのオンサイト分析や比抵抗構造時間変化等の新たな観測技術・補助的観測についても、活動評価の枠組みに位置づけるための知見を整理し、課題終了後の運用に向けた標準的な評価手法を提供する。
- 指標の設定として、主要選定火山(少なくとも3火山)において、進行段階(状態)の定義および判定基準を整備し、多項目観測データから進行段階を分類するモデルを構築する。あわせて、火山活動度指数および噴火確率推定モデルを整備し、各火山2事例以上の過去の噴火・活動活発化事例を用いて再現性および妥当性を検証する。また、選定火山(少なくとも3火山)で、火山ガスオンサイト分析手法を用いて、従来の採取・分析手法で得られるデータと整合的な火山ガスの組成・同位体比を得る。さらに、箱根山等の火山ガスについて同手法を用いて、過去の経時変動の報告値と矛盾のない、一日から数日間における高頻度観測の結果を得る。
