サブ課題D-1:火山ハザードマップ作成手法及び火山曝露・脆弱性評価手法の標準化

概要・実施計画

概要

過去の火山ハザードの影響範囲等データとの比較による、信頼性が担保された火山ハザード(降灰、噴石、火砕流、溶岩流、土石流、融雪型火山泥流等)予測モデルの開発、火山ハザードの適切な評価に必要な火山ハザード予測モデルの計算条件の設定、活動火山対策にとって有効な火山ハザード予測情報の表現(D-2との連携)などに基づく、科学的知見が正確に反映された火山ハザードマップの標準的な作成手法を確立する。火山ハザード予測モデルについては、火山ハザードの実績データや理論的研究により抽出されるスケール則の再現などを保証する、理論的背景が明確なモデルの開発を実践する。

火山周辺地域における曝露情報データの収集、過去の火山災害データや脆弱性評価実験等に基づく火山ハザードに対する脆弱性データの収集、火山曝露・脆弱性評価指標の定量化、活動火山対策にとって有効な火山曝露・脆弱性情報の表現(課題D-2との連携)などに基づく、火山曝露・脆弱性の標準的な評価手法を確立する。

上記で確立された標準的な作成・評価手法に基づき、全国の火山について一律の基準でハザードや曝露・脆弱性を網羅するハザードマップ、曝露・脆弱性マップの作成を試行する。また、これらを統合した全国火山リスクマップの作成を試行する。標準的な作成・評価手法や各種マップ、過去の火山ハザードや火山曝露・脆弱性情報のデータベースなどを一元的に集約し、それらを国・地方公共団体・企業等に提供することを可能にする火山ハザード・曝露・脆弱性情報プラットフォームを構築する。

実施計画

初期

地質図や既往研究に基づき、降灰、噴石、火砕流、溶岩流、土石流等の過去の火山ハザード影響範囲データの全国的なコンパイルを実施するとともに、火山周辺地域の人口・建物・社会基盤等の曝露情報、および火山災害事例や実験データに基づく脆弱性情報のデータ整備を進める。これらのデータに基づき、既存の火山ハザード予測モデルの選定と実行環境の整備、新規ハザード予測モデルの開発を進めるとともに、ハザード影響範囲データから物理過程を反映したスケール則の抽出を行う。また、ハザード、曝露、脆弱性に関するデータやモデル、計算結果を統合的に管理・公開するための火山ハザード・曝露・脆弱性情報プラットフォームの基本構造を設計する。

中期

初期に整備したデータおよび抽出されたスケール則等に基づき、火山ハザード予測モデルの計算条件設定手法の検討およびモデル高度化を進めるとともに、ハザード影響範囲データと曝露情報の統合による火山曝露の定量評価を実施する。さらに、脆弱性評価実験の実施と過去災害データとの統合により、火山ハザードに対する脆弱性の定量化を進め、脆弱性曲線の構築等を試みる。これらの成果を統合し、火山ハザード予測モデルの計算結果の集約手法や火山対策に有効な情報表現方法を確立するとともに、火山ハザードマップ作成手法および火山曝露・脆弱性評価手法の標準化に向けた検討を進める。

後期

中期までに検討した火山ハザードマップ作成手法および火山曝露・脆弱性評価手法をさらに検証・改良し、これらの標準的手法を確立する。確立した手法に基づき、全国の活火山を対象として統一的な基準によるハザードマップ、曝露・脆弱性マップ、およびリスクマップの作成を試行し、これらの成果を火山ハザード・曝露・脆弱性情報プラットフォームに集約する。最終的に、標準的手法およびプラットフォームを公開し、利用者の意見を踏まえた改良を行うことで、全国的な火山リスク評価の基盤となる情報基盤を構築する。